妊娠前に虫歯の治療とおやしらずの抜歯はすませるべき?

妊娠中には虫歯になりやすい。でも、どんなに痛くてもお腹の赤ちゃんに影響するから、治療も抜歯もできないの。だから妊娠前に治療しておかないと大変な事になるの。おやしらずが生えているのならば、抜いておきなさい

昔そんなアドバイスをもらった記録があります。確かに、妊娠中に歯の痛みなんて、想像もしたくありません。なんとしても避けたいですよね。

妊娠中に歯が痛くなっても、治療も抜歯も出来ないとなると、歯の痛みと長い間付き合う事になる訳ですから。

しかも、妊娠中なのですから、鎮痛剤での対処にも限界があります。同時に、約80パーセントの確率であの苦しい「つわり」も待っているのです。

しかし、ここでちょっとした疑問がわいてきました。プレママの全員が、妊娠前に歯の治療を終えているとは考えにくいと思うのです。もし、妊娠中に虫歯や親知らずの痛みが出てしまった人は、どう対処しているのだろう?

という事で、今回は「妊娠中の虫歯・おやしらず」に関して調査・報告です。

【妊娠中の虫歯の治療・おやしらずの抜歯について】

《妊娠中に虫歯になりやすいのは本当?》

妊娠中は虫歯なりやすいと聞きますが、実はこれ、ホントなのです。しかもママの口の中は虫歯だけではなく、歯周病にもかかりやすくなっているのです。

では、その原因とはいったい何なのでしょうか?

(つわりが原因となる場合)

■吐き気・嘔吐による口内環境の悪化

妊娠したママ達の約80パーセントがつわりを経験します。このつわりには様々な症状がありますが、その中には吐き気やおう吐といった症状もあります。この吐き気やおう吐は、食事だけではなく、様々な刺激に反応して起こるのですが、その中には歯磨きも含まれる場合があるのです。こうなるとなかなか歯磨きが出来ません。結果、口内環境が悪化して、虫歯や歯周病にかかりやすくなってしまうのです。

■胃酸の影響

歯は食事の影響などによる酸の影響をうけ、歯の表面が溶かされるのですが、これをアルカリ性の唾液が中和・修復してくれるのです。

しかし、つわりによる吐き気やおう吐によって、胃酸の逆流が起こり、これが原因で唾液が酸性に傾きます。唾液が酸性に傾くという事は、唾液本来の役割である、歯の表面を修復するという働きが出来なくなり、結果虫歯になりやすくなるのです。

(女性ホルモンの影響)

妊娠中のママの体内ではホルモンバランスが大きく変化します。これは、妊娠に伴ない多量に分泌される黄体ホルモンの影響をうけての事。この変化は、ママのカラダの中で赤ちゃんを育てる準備を始めているために起きている事なので、それ自体は赤ちゃんにとってもママにとっても良い事なのです。

ただし、その影響で唾液の分泌量が減ります。この唾液は、口内環境を整えるといった役割を持っているので、唾液が減るという事は、口内環境は悪化するという事につながるのです。これも、虫歯や歯周病の原因となり得るのです。

(妊娠性エプーリス)

これは、虫歯や歯周病ではなく、歯茎にコブが出来る病気です。この妊娠性エプーリスは、ママの体内のホルモンバランスの変化が原因でひきおこされています。

妊娠初期に発症する良性の腫瘍ですので、殆どの場合産後には小さくなり自然にります。しかし、自然治癒しない場合には、取り除く等の処置を行う場合もあります。

この妊娠性エプーリスというのはあまり知られていない病気ですので、そうとは知らずに歯周病や虫歯の痛みと勘違いして、「歯が痛い」と感じている場合も少なくありません。

《対処方法》

妊娠によるつわり、唾液の減少はホルモンバランスの影響によっておこっていますので、これらを防ぐことはできません。

ですので、妊娠前に虫歯や歯周病のある人は治療しておくことをお勧めします。また、妊娠後であっても、安定期に入れば通常は虫歯の治療は可能なのです。もちろん、ママの体調を見ながらになりますので、かかりつけの産婦人科医・歯科医に相談して、悪化する前に対処しておきましょう。

ただし、ある程度お腹が大きくなってきた場合、どんなに体調が良くても、あおむけでの治療自体が難しくなりますので、早めの対処が望ましいですね。

また、妊娠中には、おやしらずの抜歯などといった積極的な治療は控えるべきなので、状態が怪しい、あるいは明らかに悪い歯がある場合には、妊娠前に治療・抜歯しておくことをお勧めします。

《赤ちゃんへの影響は?》

虫歯の場合なら、さほど心配ないのですが、歯周病となると、お腹の赤ちゃんへの影響は大きくなります。

歯周病菌が子宮の収縮を招く原因となっている事実は判明しています。子宮の収縮を招くという事は、流産や早産のリスクが高くなるという事。実際にママが歯周病の場合、早産の可能性が7~7.5倍にも高まると言われています。

同時に、歯周病を持っているママのお腹で育った赤ちゃんの場合、その成長にも影響があり、赤ちゃんが小さすぎるカラダで生まれてきてしまう可能性が高くなるのです。

【まとめ】

「妊娠中であっても虫歯の治療ならできる」、これは朗報です。

しかし、これには妊娠中期である事・仰向けでの治療が可能な状態である事・あるいは、つわりや体調不良などの状態にはない事など、実に様々な条件をクリアする必要があり、その時になってみないと分からないというのが悩ましいところなのです。

その時に、出来ない、残念でした。では済まされませんので、普段から虫歯の無い状態を保つ必要があるのですね。

また、歯周病ともなると、お腹の赤ちゃんに多大な影響を与える事が分かりました。歯周病を持っているママなら、是非とも改善した上での妊娠としましょう。

参照:妊娠週別まとめ